ウィステリアハウスの歩みとともに…
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てんかん発作とは
2024-10-16
~その1~の続きの前に…てんかんにもさまざまあるので、息子のパターンをご紹介します。
てんかんについて全くご存じない方には、わかりづらい言葉も使ってしまいますが、できるだけ見た目の描写で書いてみます。あくまでも息子のてんかん症状です。
てんかんにもさまざまな症状があります。100人に1人は罹患しているともいわれるほど実は身近なものであり、それだけにいろいろな面で複雑な事情や状況があることをご理解いただけましたら幸いです。長男のてんかん発作は部分発作から全般発作です。それまで普通に活動していたのに、ふっと動作が止まったな、と思うと、黒目が上に向きゆっくりと頭を右に回しはじめ、右からゆっくり力が抜けていきます。それから痙攣が始まると同時に今度は全身に力が入って手足はピーンと伸び、そのタイミングで何を握ったままだと絶対に抜けません。硬直のまま痙攣は大きくなり、大きく体が揺れます。いつもきまって1分間。顔が紫になっていくこともあります。本人は、動作が止まった頃には意識はなくなっているようです。痙攣をしている体を見守りながら、絶対終わる、と思いながら時計の秒針をみて、あと30秒、20秒、10秒…私にとっては何回経験しても慣れない、絶望感を感じる時間です。
発作は、入浴時、食事中、電車内、車内、歩行中…予測がつきません。最近は、嘔吐を伴う発作もあります、レストランや電車内でのこの症状が出るのは周りにご迷惑をおかけする度合いが大きすぎるので、レストランに行くのも電車に乗るのもすっかりご無沙汰になりました。
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障害のある息子がいたから~その2(薬の調整)~
2024-07-20
病院を転院し、大人のてんかんの専門の主治医が診てくださることになりました。
とても高名な先生です。息子は「人に恵まれる」何かを持っていて、ご縁がある方は、素晴らしい方ばかり。この時もそれに違いませんでした。
まずは発作が落ち着くことを目指して。これまでの薬を減らしたり、新しい薬を取り入れたり。これもまた、大変なことの1つでした。重度の知的障害があり、言葉の使い方が分からない長男には、この薬がいいのか悪いのかを、言うことができないのです。
一番身近で見ている私が、「眠気が強くなったようだ」「だるそうだ」「食欲がなくなったようだ」と、感想を伝える事しかありません。
発作の頻度や状況が第一判断とはいえ、薬の影響で本人が辛いとなれば、一般的には医師が本人の話を聞き調整していくものでしょう。。しかし長男の場合は、本人が本人の事を分かっていない。眠くて寝てばかり、だるくてゴロゴロしっぱなし、食欲がないから食べない…本人はこれに対しても、「良い」「悪い」判断もありません。むしろ家族が「1日中寝てばかりで心配」「家でだるそうにしているのが見ていて辛い」「食事を作っても食べない」思うことを先生にお伝えしていくだけです。
本人の気持ちが分からないまま、周りで「良い悪い」を判断し、薬の調整をしていく。
そうやって様子を見ていくうちに、本人がイライラすることが増えてきたのです。
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障害のある息子がいたから ~その1~
2024-06-10
ウィステリアハウスを建てるにあたり「長男に障害がある」とお話ししました。その長男とのことを少しずつ、お話したいと思います。長男の障害とその障害に向き合ってきたことを自身も振り返りたいと思ったからです。
自身の事をこの場に載せることを迷いながらも、この場だからこそ、言葉を選び、慎重に書くことができると思いました。選びすぎて、何を言っているのか分からなくならないように、努めていきたいと思います。
では。はじめてみます。まずは、長男の障害についてから…
長男は重度の知的障害で、難治性てんかんです。そのてんかんから、お話します。
てんかんの最初の発作は小学校2年生の冬でした。ベッド上で意識が飛んでいて、それからふら~っと倒れました。痙攣はなかったのですが、脳波検査でてんかん波はありましたから、発達遅延として経過観察中の小児科の主治医から「発作でしょう」と言われたところから、薬を服用しています。
それから4年経った6年生の時。痙攣を伴う発作が月に1回、出るようになりました。薬の増加で半年ほどで落ち着きました。
そしてさらに4年経った高校1年生の時。ある日をきっかけに1日おき、3日に1回と、大きな痙攣が伴う発作が続くようになりました。薬を増やしても回数が減りません。さらには眠くならないようなのです。36時間起きていて12時間寝る。しかも、起きている36時間中はハイテンションです。私は寝不足で気が狂いそうでした。
ずっと同じ小児科に通っていましたが、使える薬が限られる、ということで、大人のてんかん専門病院へ転院しました。そこで処方された薬で、てんかん発作が月に1~2回程度になりました。さらには夜になれば寝るようになりました。ああ、よかった、このまま安定するかと薬を徐々に増やしていたら…想像を絶することが起きていったのです…つづく